海外駐在でも英語が上達するのは簡単ではないですよね。
このページでは海外駐在でアメリカに6年住んで英語力がどのように向上したかという推移と、
その時に実践した英語の上達方法を解説します。
海外駐在をお考えの方や赴任後1年目、2年目で、英語にお悩みという方はこの記事を読むと話せるようになるための近道がわかります。
海外駐在員の英語の上達方法とは?赴任後6年間の英語力の変化
実は僕は海外赴任時のTOEICレベルは600点ほどでした。
海外転勤前の勉強法はこちらです。
関連▶︎海外駐在員の英語力はどのくらい必要?赴任前にしておくべき勉強法とは
赴任後1ヶ月 生活のセットアップで四苦八苦
アメリカ赴任後1ヶ月の間は、家を借りるところから始まりました。
会社の立ち上げ(スタートアップ)だったので、現地には僕と駐在員がもう一人だけ。他に社員も居ません。
このため、車を買ったり、携帯の契約をしたりといったことも全て自分でする必要がありました。
言いたいことはあるのになかなか言葉が出てこなくて、毎日四苦八苦していました。
海外赴任直後のおすすめの勉強法
海外赴任直後のおすすめの英語勉強法はとにかく毎日英語を使うことです。
英語に触れる機会を増やしました。
スピーキング
生活のセットアップもそうですが、事務所もない状態だったので、業者とのミーティングに出かけたり、情報収集のためにいろんな人に会いに行きました。
ローカルの企業とのミーティングは全部英語なので、結構ハードでした。
全体の半分ぐらいしかわからず、分からないところも質問できないという日々でした。
このため、使いたい言い回しがすぐ出てくるように練習をしたり、
自己紹介や質問したいことなどは準備して行くようにしていました。
アダルトスクールに通うのもおすすめです。
いろんな国から来た人たちと一緒に英語を学ぶことができます。
リスニング
家ではTEDEdなどの動画を毎日観ていました。
テーマも興味のあるものを選ぶことができます。
英語と日本語の字幕が切り替えられるので、
・英語の字幕を読みながら聞いて意味を考え、耳を慣らし、
・日本語の字幕でどのくらい理解できたか確認する
・ディクテーション(聞いたものを英語で書き出す)をする
このほか、Amazon primeで海外ドラマを視聴(日本語字幕)
していました。
お気に入りの映画を何度も見ていました。
ドラマの方がクセが捉えやすくてわかりやすいです。
赴任後〜半年 家族呼び寄せ。ミーティングの内容が聞き取れない
海外赴任後、6ヶ月した頃にようやく家族を現地に呼び寄せました。
最初から一緒だと、自分も手一杯だし、英語にも慣れない状態だと家族のサポートができないと考えて、少しずらしました。
半年たつと、努力の結果少し話せるようになってきていました。
・学校の入学手続き
・家族用の家への引越しの家探しはCraigs listを使って自分で
・家主との賃料や条件交渉
・家族用の車の購入
などは、できるようになっていました。
ただし、仕事のミーティングではまだまだ聞き取れないところが多く、苦戦していました。
海外赴任〜半年後のおすすめの英語上達法
海外赴任半年後のおすすめの勉強法は
・一人で業者とのミーティングに行くです。
これはものすごく有効でした。
2人でミーティングに行くと、もう一人の方が英語ができたので、自分が分からなくても話が進んでしまうという問題がありました。
また、僕もいちいち今のはどう言う意味?と聞いていると時間がかかりすぎるので、遠慮して聞かずにそのまま、、という状態が続いていました。
1人で業者とミーティングをすると、自分が理解しないと話が先にすすみません。
また、僕が「今のはどういう意味?」「もう一回言ってくれますか?」と聞くと、相手も答えてくれるので、これでかなりできるようになりました。
このほか、
・従業員とのメールやテキストメッセージ
・電話をする
も有効です。
従業員とのメールやテキストメッセージは会話よりも少し時間をかけて考えられるので、やりやすいです。
これがもっと高速でできるようになると、会話もスムーズになります。
ただし電話は結構苦労しました。
赴任後半年〜1年 電話ができるようになった
海外駐在開始後半年ほどで、相手と対面で話をするのには慣れてきましたが、
実は電話には結構苦戦していました。
相手の顔が見えていないと口元が見えないので、一気に難易度が上がります。
電話はとにかく回数をこなすことで慣れました。
ソフトウェアのヘルプデスクへの問い合わせでたらい回しにされたり、
不動産業者に契約の進捗を確認したりしていくうちに、だんだんできるようになりました。
海外赴任後半年〜1年のおすすめの英語上達法
・英語で電話をする
・契約書を読む
・英語のニュースを読む
・業者との交渉を英語でする
業者との交渉はかなり効果が高かったです。
相手の提案に対して、要望を伝え、条件を引き出すのは英語力の瞬発力が着くようになります。
海外赴任後1〜1年半 社内ミーティングのファシリテーションができる
海外駐在1年ぐらいの時点で、がんばって準備をして会議のファシリテーション(司会、主催者)ができるようになりました。
事前に何を話すかをかなり準備してでしたが、従業員を集めて会議をしたりすることができるようになりました。
事前準備なしで、ミーティングができるようになるにはまだ時間と努力が必要でした。
駐在開始後1〜1年半のころに効果のあった英語上達法
・店頭に立つ
この頃にようやくお店がオープンしたので、店頭に立ってお客さんの対応をしました。
3ヶ月ほどやりましたが、これで劇的に伸びました。
必要に迫られると、伸びます。
海外赴任後1年半〜3年 新任駐在員の通訳ができる
駐在開始後1年半の時に新任の駐在員の受け入れをしました。
その駐在員は英語がほとんどできない人だったので、
現地の従業員とのやりとりのときに
僕が間に入って話をするというようなことがよくありました。
ミーティング前の準備もあまり必要としなくなりました。
海外赴任後1年半〜3年のころに効果のあった英語上達法
下記は効果抜群でした。
・英語しか話せない直属の部下を持つ
・新任の駐在員の受け入れ
英語しか話せない部下を採用して、
その子に僕の業務の一部(会計)を引き継ぎ、仕事を教えることにしました。
これはかなり効果があり、英語のレベルが劇的に伸びました。
また、新任の駐在員の受け入れをしたことで、通訳的な役割をすることになり、
英語のレベルアップになりました。(そういう人を送り込む日本サイドについてはどうかという思いはありますが)
海外駐在後3-6年 まだネイティブ同士の会話は難しい
海外駐在して6年になり英語で困ることは少なくなってきました。
意思疎通は普通にできますし、相手を説得したり、叱ったり、ほめたりということも自然にできるようになりました。
ただし、いまだにネイティブ同士の会話を全部理解するのは難しいと感じます。
くだけた言い回しやジョークなど、特に仕事で使わない言葉が分からないことが原因で、そこで育った人と、そうでないノンネイティブの大きな差だと感じます。
10年、20年住んでいる人でも「分からない」という人もいます。
実は第二言語として英語を話す人たちの方が逆にお互いにわかりやすいです。
単語も限定的ですし、「わかりやすく話すこと」を優先しますので、
難しい(大人が使うような)形容詞や副詞は使うのを避けます。
日本語でも、小学生に話すことばと、大人に話す言葉が違うように、
同じような意味でも大人用の単語や言い回しがたくさん存在します。
僕は語学に関しては「伝わること」が一番の優先事項なので難しい単語は極力使わずに話すことに重点を置いています。
例えば「適切な」という表現の場合
・suitable
・fit
・proper
・appropriate
・apt
・relevant
・felicious
といろいろあります。こんなの全部覚えてられませんよね。
僕が使う時はsuitable、fit、proper、appropriateぐらいまでです。
その下は文章で出てきても、なんだっけ?というような感じですね。
日本語でも「適切な」を表す単語として
・あてはまって
・ちょうどいい
・ぴったりの
・ふさわしい
というようにいろいろな表現がありますね。
ちょっとずつニュアンスは違うんでしょうけど、仕事で相手に通じれば問題ないのであればそこまでは覚える必要性を感じないです。(文学とかを勉強するなら必要になると思います)
もっと簡単な例だと
・say
・talk
・mention
はほぼ同じ意味で使われますがmentionのほうが大人が使う表現です。
日本語に言い換えると
・言う
・話す
・言及する
に該当します。「言及する」は大人が使う言葉ですね。
mentionくらいなら普段から使いますが、
こういう単語や言い回しがすごくたくさんあり、
僕はそこまでマニアックにやる必要はあまり感じていません。
学生の頃から20年住んでいる日本人に聞きましたが、こういう言葉の壁がこの先も何段階もあってどこまで行ってもキリがないと言っていました。
とはいえ、僕も何度か壁を感じながら、それなりに英語で現地で仕事ができるようになりましたので、努力をすれば3〜5年で「英語であまり困らない」レベルになら到達は可能だと言えます。
海外駐在員の家族の英語力はどのぐらい上達したか?
アメリカなど家族帯同で海外駐在は家族の英語力も身につきます。(ただし努力が必要)
お子さんは特に、日本に帰国したらバイリンガルの帰国子女になりますので、チャンスですね。
駐在員の子供の英語力はどのくらい高まる?
今住んでいるエリアは日本人学校は補習校しかなく、土曜日のみだったので、
子供は現地校に通わせていました。
渡米当初は小学校5年生と1年生でした。
最初の半年は授業もほとんどわからず、質問もできないと言う状態で
下の子は「わからないT_T」と泣いていましたが、徐々にできるようになりました。。
半年後ぐらいから自分で宿題をできるようになりました。
始めはチューター(家庭教師)を雇って、週1回レッスンを受けていました。
特にPhonixをやったことで、発音はかなり良くなりました。
4年目で上の子が中2のときに英検準一級、
下の子は小5のときに英検2級に合格できました。
日本人のお友達がいると、日本人同士で仲良くなってしまい、なかなか英語が入らない場合があります。
うちの下の子もそうで、何となく喋れてるし、授業もわかるようになったけど、文法も適当、単語もあまり知らないと言う感じでした。
駐在員の妻の英語力はどのくらい高まる?
駐在妻の英語力は「人による」が答えになります。
伸びる方と全く伸びない方がいます。
うちの奥さんは後者で、完全に諦めています(笑)
日本人の奥さんたちと仲良くなって、そのコミュニティの中で生きていけば、
特に英語をがんばらなくても何とかなってしまいます。(買い物ぐらいはできるようになります)
ただし、学校の手続き系は僕が行くことになります^^
同じ駐妻の方でも、アクティブな人はアダルトスクールで英語を勉強したり、習い事なやパートで働いたりと、どんどん上達する人もいます。
うちの会社のアシスタントの方も駐在員の奥さんで英語も堪能な方でした。
海外駐在6年間の英語力の推移と実践した英語の上達方法まとめ
この記事では海外駐在6年間の英語力の推移と実践した英語の上達方法について解説しました。
ポイントをまとめます。
海外駐在6年間の英語力の推移
・海外赴任後1ヶ月は生活のセットアップで四苦八苦していました。
・半年ぐらいではまだミーティングの聞き取りに苦労。
・駐在開始後1年で電話ができるようになった。
・1年半でミーティングのファシリテーション
・3年で新しい駐在員の通訳ができるように
・6年たってもネイティブ同士の会話はむずかしい
海外駐在6年間で実践した英語の上達方法
・海外駐在開始1ヶ月はとにかく毎日英語づけの生活をする
・赴任後6ヶ月ごろは一人で業者とのミーティングにいく。自分が理解しないと帰れないので力がつきました。
・アメリカ駐在後1年は、電話をする、業者と交渉する、でレベルアップ
・1年半後は店頭に立ってお客さんの対応◀︎めちゃくちゃ効果あり
・3年後は英語しか話せない直属の部下に仕事を一から教える◀︎めちゃくちゃ効果あり
・6年後、英語で困ることは少なくなったが、改善の余地はいくらでもある
海外駐在で家族の英語力はどうなったか?
子供は5年間現地校に通った結果
・小学5年→中学3年で英検準一級合格。
・小学1年→小学6年で英検2級合格。
でした。
実は下の子は日本人のお友達が多く、なかなか英語が入りませんでした。
2級に合格した時点でも、文法も結構適当なので体系的に文法を勉強中です。
子供は早いから現地に住んでれば勝手にペラペラになる
というのは幻想です。
毎日努力が必要です。
でも現地に住んだことで日本では英語がかなり得意な部類に入ります。
苦労はありましたが、この点はすごくよかったと思っています。
奥さんは英語は完全に諦めている
うちの奥さんのように完全に諦めている方も居ます。
一方、駐妻だけど現地でパートでバリバリ働いているという人もたくさん居ます。
英語力の伸び方は人によりますね。
英語は毎日使えば必然的にレベルアップします。
まずは自分の言葉で話す努力をしましょう。
海外駐在前の日本でも、現地入りしてからでもできる英語の上達方法は
海外駐在員の英語力はどのくらい必要?赴任前にしておくべき勉強法とは
の記事で詳しく解説しています。